誰ガ為のアルケミストを読む 第一章-④

タガタメを読む

こんばんは、書庫田です。

忙しくて更新遅れました_(._.)_ゴメンナサイ

早速続きを読んでいきましょう。

前回のあらすじ

エンヴィリアへ戦争を仕掛けてきたラーストリス軍。

ロギ・ディオスの救援により、パトリック王の殺害という最悪の結果は免れることができた。

しかし、同時期に修道院が襲撃され、避難していたアガサが蜥蜴旅団に囚われてしまう。

追いかける2人だが、「平和のため、サバレタと対話する時間が欲しい」というアガサの言葉で踏みとどまり、敵領地に向かう彼女を悲痛な面持ちで見送るのであった。

人物紹介

ロギ

本作の主人公であり、パトリック王殺害を阻止したエンヴィリアの騎士。禁忌とされている錬金術を行使している場面を貴族に見られてしまうも、平和のためにこの力を使うと固く誓う。

ディオス

本作のもう一人の主人公。敵軍に連れていかれるアガサの姿にかつて殺された妹の姿を重ね、何のために錬金術の力を得たのかを自分に問い続ける。

ジーク

かつてラーストリスの反乱を鎮めたエンヴィリアの英雄。今回の戦争では、蒼炎騎士団を率いてエンヴィリア正門から突撃し、侵入していたラーストリス軍の鎮圧に貢献した。

アガサ

ロギ・ディオスの幼馴染。エンヴィリア・ラーストリスの和平を目標に掲げ、不要な戦闘を避けるサバレタの在り方に対話の可能性を感じて敵軍捕虜として同行を決める。

サバレタ

ラーストリス反乱軍「蜥蜴旅団」のリーダー。搾取を続けるエンヴィリアへの憤怒・ラーストリスの復興を願うラーストリス民の思いを背負い戦争を仕掛ける。

ガビロンド卿

今回のラーストリス侵攻に際し、聖教騎士団の招集と指揮を担っている人物。騎士として未熟なロギ・ディオスを見下している一面がある。

ベルトラン

聖教騎士団として派遣された騎士。己の未熟さに焦るディオスをなだめ、力の使い方を教える先生のような存在。

本編

エンヴィリア王城へ戻り、戦況を整理するロギ・ディオス。

その場で、大陸最強の騎士団である『聖教騎士団』の援軍が決定したとパトリック王より告げられる。2国の小競り合いに対し、錬金術のプロ集団ともいえる軍隊が介入することに不信感を抱く二人だが、サバレタを始めとするラーストリス軍が錬金術を戦争に持ち出したことが原因だと語られる。そこでジークは、力を使う強い心を養うべく、ガビロンド卿率いる聖教騎士団軍に同行するようにディオスへ指示する。困惑するガビロンド卿だが、力を振るう理由を模索したいと考えるディオスは、ガビロンド卿へ頭を下げて同行を願い出るのであった。

蒼炎騎士団と聖教騎士団に分かれ、ラーストリス二大砦の攻略へ入るロギ・ディオス。

その内、聖教騎士団として砦の攻略に向かうディオスは、大陸の正義を語りながら戦争を抑えられない聖教騎士団の在り方に不満を抱えていた。そんな彼の態度に苛立ちを示すガビロンド卿だが、権威を振るうことしかできない彼らに女子供は守れないと考えるディオスは上辺の敬意を示し、来る戦闘に備えるのであった。

もう一つの部隊を率いるジーク。彼の胸にあるのは、行軍前のパトリック王とのやり取りであった。娘であるアガサの誘拐を気遣うパトリック王に対し、国のために個よりも全を優先すると答えるジーク。彼の信念に対し、パトリック王は

「エンヴィリア国王として命じる。ラーストリスの叛逆の鎮圧のみならず…アガサの救出を必ず為せ」

とジークに命じる。王の寛大な気遣いに背中を押されたジークは、息子ロギとともにラーストリスの砦へ向けて強く踏み出すのであった。

錬金術を学ばせるという理由でディオスのみを聖教騎士団に派遣させたことに疑問を持つロギ。その問いに対し、ジークは力を振るう理由が違うと答える。ロギは『守る』ために力を振るうのに対し、ディオスは『変える』ために力を振るう。この決定的な違いがディオスに焦りを生ませ、道を踏み出す引き金になる恐れがあると考えたジーク。そしてもう一つ、ディオスを聖教騎士団内に『潜り込ませる』必要があると話すジークに疑問を抱くロギ。全て杞憂であればいいのだとはぐらかすジークを追い、ロギは砦へと歩を進めるのであった。

砦が近づくにつれて強くなる魔物に苦戦するディオス。対して、大陸最強の聖教騎士団はいとも簡単に魔物を退けていく。信念と強さのギャップに焦るディオスに対し、己の力も測れない未熟者だと見下すガビロンド卿。憤慨するディオスだが、彼には経験と知識がまだ足りないからだと説き伏せるベルトラン。そんなベルトランから、聖教騎士団の強さの秘密について語られる。

聖教騎士団は、全人類が保有している「アルケミィ粒子」というエネルギー物質の保有量が高い者で構成されている。そのエネルギーを利用することで、錬金術エネルギーを蓄えた「賢者の石」を使用せずに錬金術を行使しているのである。その点で、ウロボロスから力を与えられたことで条件をクリアしているディオスは、聖教騎士団と同等の強さになることができると考え、ベルトランの下で力の使い方を学ぶのであった。

戦闘のさなか、剣に迷いがあるというベルトランの指摘に苛立つディオス。ベルトランは、大陸の正義のために剣を振るうのが聖教騎士団であり、その部隊に所属しているのなら己の正義を剣に乗せろと説く。その言葉にアガサの顔がよぎるディオス。剣を振るう理由を思い出した彼の一太刀に感銘を受けたベルトランだが、ディオスの在り方は聖教騎士団と対極の位置にあると考える。聖教騎士団が敷く法であるマグナレコードの一つ「アルケミーオーダー」に従い、聖教騎士団は利己的・破壊的な錬金術の使用を禁じている。つまり、怒り・焦りといった感情の振れ幅で力を振るうディオスと異なり、正義というゆるぎない信念で感情を制御しているのが聖教騎士団である。思いがあっての力だと説き伏せるベルトランに、彼の強さの一端をみるディオスであった。

アガサの安否を心配するロギ。その焦りからか、連日の戦闘で錬金術が発動しない不調に悩ませる。そんなロギの元を訪れるディオス。心が揺れているうちは錬金術が使えない、もっと先を見ろというディオスの言葉に驚きながらも励まされるロギ。聖教騎士団の下で彼らの正義への覚悟を感じたディオスの姿を見て、彼の過去に触れるロギ。実の妹”ユフィ”を救えずに大陸の正義を騙る聖教騎士団への敵意を胸にしまい、アガサを救うために先を見ているディオスの在り方が励ましになると答えるロギ。その彼の答えに合点がいくディオス。ロギの言葉が、曖昧だった彼の信念に形を与えたのだ。

目の前の敵は殺すのではない。悲しい世界を繰り返さないために「退ける」のだと。

敵との向き合い方が変わったディオスは敵の殺意に感化されず、精錬された力を振るえるようになった。

そんなディオスの前に、蜥蜴旅団の奇襲が現れる。彼らは、自らの肉体の一部を差し出すことで力を増幅させる「闇の力」を使用し、強力な軍隊と”黒騎士”を呼び出す。自軍の魂を吸って強大化する黒騎士の前に苦戦する聖教騎士団。満身創痍となるディオスだが、彼の頭にアガサやユフィの姿がよぎる。悲劇を生まないため・大切なものを奪わせないという強い思いを胸に力を振るうディオス。その思いに応えるように、彼の剣に強大な錬金術の力が灯り、黒騎士を退けるのであった。歓喜するガビロンド卿だが、彼の信念の根底に気づくベルトラン。そこへ蜥蜴旅団の残党が現れるも、満身創痍である彼らでは聖教騎士団に勝てないと判断し、ベルトランは敵軍へ撤退を促す。その姿を見たガビロンド卿は激怒する。

「彼らの恨みはより強い敵を生み出して悲劇を繰り返す。奪われる前に皆殺しにしろ」

奪われるという言葉を繰り返すディオス。彼の姿に、彼の力の根源は「復讐」であるとしてガビロンド卿を止めるベルトラン。しかし、力の根源が復讐であると知りながらも、黒騎士を一太刀で退けたディオスの力に可能性を感じたガビロンド卿は、ディオスへ残党の殺害を命じる。

悲しみの連鎖を断ち切りたいと考え、彼が掲げた『変える』ための力。

奪われたくないという思いは、気づいた時には敵を皆殺しにしていた。

敵の返り血に染まった手を見て嗚咽するディオス。その痛ましい姿を、ベルトランはただ無言で見つめることしかできなかった。

雑記

序盤から不安定だったディオスが、今回になり『復讐』という明確な形を得て力を振るうことになってしまいました。(現状、本人が復讐と自覚して剣を振るっていないのがより辛い)

今までは、『守る』・『エンヴィリアのため』・『悲しい世界を変える』という綺麗な信念を掲げていましたが、その根底にある『家族を奪った敵が憎い』という感情を抑えられず、強大な力に目覚めてしまいます。そんな彼の心の変化を知らないロギ。今までの仲間とどう接し、ディオスがどのような答えを出すのかが気になります。

今回はここまで。では(‘ω’)ノ

せっかくロギの言葉で、『殺して終わらせるのではなく、世界を変えたいという自分の道を阻むものとして敵を退ける』と決めたのに、軌道修正させてんじゃねぇぞガビロンド…(#^ω^)

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